2007年11月7日水曜日

母の想い…

7月に父を亡くしてから4ヶ月になろうかという所。
遠く離れている私にとっては、
もっと月日が経っているような気がする。
傍で父の位牌を眺め、遺影を見つめている母には
もう4ヶ月かと、長かった夫婦生活が走馬燈のように脳裏を巡り
さぞかし懐かしんでいる事だろう。
とても気丈な人で、
父が入院中は、自分も歳でくたくたになりながらも
毎日毎日病院に行った。
担当医の理不尽な振る舞いには抗議し、
院長先生へは、自分が担当医に宛てた手紙の正否を問い、
医者たるもの、もっと患者の親族の身になって誠実に応答すべきだと説き
あなた達には、患者は大勢のうちの一人かもしれないが、
我々家族には、沢山の歴史を刻んできた大切な宝物なのだから、
物として扱ってもらっては困る、と立腹してみせた。
そんな父も、
「長い間付いて来てくれて有難う。」
と、母に感謝し、
「もっともっと、沢山の思い出を作っておけばよかった。」
と、母のネックレスを手に涙した。


人が生への終わりを迎えるあの時間ほど厳かなものはない。
と母は言う。


母にも私たち子供にもとても優しかった父。
とてもお洒落で、母には
「歳をとるほどに綺麗にしなさい。」
と、言い続けた。
だからか母は若い頃から家でシャンプーはしない。
2日に一度は美容院に行き、1ヶ月に二度はセットの行く。


父が亡くなってからの母の仕事は沢山ある。
自分も歳だから、面倒なことは子供には残せないと、
一番思い出多いい父の築いた工場を整理し、壊し、更地にした。
壊す日の前日はその姿を目に焼きつかそうと長い間佇んだという。
色々な事が蘇り淋しかっただろうと思う。
壊す当日は、見にいかれなかったと電話でその思いを話した。

昨日、母から
もう跡形もなく更地になったと電話がきた。
父はどう思っているだろうか…?
おそらく父もきっとほっとしている事だろう。
…母と父の思いは同じだろうと思う。
ひとつひとつ片付いていって、
淋しさもあり複雑な気持ち。
でもあの気丈な母に任せておけば…
大丈夫と思っているだろう、きっと!!

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