7月に父を亡くしてから4ヶ月になろうかという所。
遠く離れている私にとっては、
もっと月日が経っているような気がする。
傍で父の位牌を眺め、遺影を見つめている母には
もう4ヶ月かと、長かった夫婦生活が走馬燈のように脳裏を巡り
さぞかし懐かしんでいる事だろう。
とても気丈な人で、
父が入院中は、自分も歳でくたくたになりながらも
毎日毎日病院に行った。
担当医の理不尽な振る舞いには抗議し、
院長先生へは、自分が担当医に宛てた手紙の正否を問い、
医者たるもの、もっと患者の親族の身になって誠実に応答すべきだと説き、
あなた達には、患者は大勢のうちの一人かもしれないが、
我々家族には、沢山の歴史を刻んできた大切な宝物なのだから、
物として扱ってもらっては困る、と立腹してみせた。
そんな父も、
「長い間付いて来てくれて有難う。」
と、母に感謝し、
「もっともっと、沢山の思い出を作っておけばよかった。」
と、母のネックレスを手に涙した。
…
…
人が生への終わりを迎えるあの時間ほど厳かなものはない。
と母は言う。
…
…
母にも私たち子供にもとても優しかった父。
とてもお洒落で、母には
「歳をとるほどに綺麗にしなさい。」
と、言い続けた。
だからか母は若い頃から家でシャンプーはしない。
2日に一度は美容院に行き、1ヶ月に二度はセットの行く。
…
…
父が亡くなってからの母の仕事は沢山ある。
自分も歳だから、面倒なことは子供には残せないと、
一番思い出多いい父の築いた工場を整理し、壊し、更地にした。
壊す日の前日はその姿を目に焼きつかそうと長い間佇んだという。
色々な事が蘇り淋しかっただろうと思う。
壊す当日は、見にいかれなかったと電話でその思いを話した。
…
昨日、母から
もう跡形もなく更地になったと電話がきた。
父はどう思っているだろうか…?
おそらく父もきっとほっとしている事だろう。
…母と父の思いは同じだろうと思う。
ひとつひとつ片付いていって、
淋しさもあり複雑な気持ち。
でもあの気丈な母に任せておけば…
大丈夫と思っているだろう、きっと!!
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