2008年4月15日火曜日

少女との出会い

2週間くらい前からだろうか、朝、小学校低学年の少女と目が合うようになった。
私はいつもの時間に、いつもの歩幅で、いつもの速さで駅に向う。
彼女は多分いつもの時間に、時には小走りで、時には友達と一緒に学校に向う。
赤いランドセルの大きさがいやに目立つ程小柄な少女だ。
彼女はとても礼儀正しそうでいて控えめな感じの上目づかいで私をみる。
彼女のその目に気がついた時には、ちょっとドキッともしたものだ。
周りのお友達とは違ったところに彼女の目線があったから。
どういう訳か次の日から朝少女に会うのが楽しみになった。
毎朝のご近所さんとの挨拶とは別に、
家から駅までのただ黙々と歩くだけのほんの少しの時間に、
日々の生活にちょっとした楽しみをもたらしてくれてるようなそんな気分。
その日から彼女の目がそして行動が少しずつ変化していく。
あの上目づかいの目が何日か続いた後、
今度は少し頭を下げるようになった。
数日間目と目を合わせているから、
このおばさんとはちょっぴり知り合いになった気がしているのだろう。
それが又数日間続いた後、
強張った笑みと頭を下げるのが一緒になった。
微笑み返しながら、内心進歩、進歩と思う。
先週、小走りで友達のところに駆け寄っていく少女に、
「おはよう!」
と声をかけた。
すれ違いざまに見せた彼女のびっくりした顔。
鳩が豆鉄砲を食らったような顔とはあんな顔をいうのだろう。
一瞬走っていた足が止まってしまった。
振り返って頬の筋肉を少し緩めた感じに微笑むと、
小さな声で、
「おはようございます。」
と返ってきた。
そして、次の日から少女は少し遠慮がちに頭を下げながら、
「おはようございます。」
を言う。

最初は全く見知らぬ人。
そして、挨拶を交わすちょっぴり知った人。
こういう風にして人と人とのつながりが出来ていくのだなと思う。
でも、今のこの時代、あまり他人が信じられなくて、
怖い目に会う事を想定して子供を躾けていかなくてはいけない事を思うと
寂しい気がするが、これもやむを得ないことなのだろう。

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